舗装って中はどうなってるの?どんな機械を使っているの?
など舗装の知識をご紹介します!
特殊な舗装技術
排水性舗装/透水性舗装/保水性舗装
小さな骨材を少なくして、骨材間の空隙(すき間)を増やし、舗装の内部を水が通りやすくした舗装です。路面に降った雨水が、すぐに舗装内部に流れるため、水たまりができないメリットがあります。高速道路ではハイドロプレーニング現象を防ぐことができます。
また、空隙が騒音を吸収する効果があり、騒音対策にも使われます。
水を通す舗装の下に、遮水層を設けて、下層に水を通さない構造のものを排水性舗装といいます。下層まで水を通す構造のものを透水性舗装といいます。空隙に保水性のある材料を充填する事で、舗装に水を保持させ、高温時に水の気化熱で温度低減する効果を持たせたものを、保水性舗装といいます。
遮熱性舗装
舗装の表面に、赤外線を反射させる材料を塗布するなどして、日中、舗装内部に熱をためにくくした舗装です。
舗装内部に熱をためないことで、熱放射を少なくして周囲の気温上昇を防ぐ効果があります。
樹脂と舗装の付着力を高めるため,舗装材料には排水性舗装などの表面の粗い材料が用いられることがあります。
改質アスファルト
重車両の走行でできた流動わだち 改質Ⅱ型を用いた舗装のわだち掘れ量は標準ストアスの約半分
(寒地土木研究所より)
アスファルト混合物を製造する際に改質材を添加することにより、
変形抵抗性や骨材飛散抵抗性を高めたりする技術です。
改質材の違いにより、様々な性能の異なる改質アスファルトがあります。
改質Ⅱ型という改質アスファルトでは、標準的なアスファルト(ストレートアスファルト)に比べて、重車両の走行によってできる流動わだちの量を半分にできます。
中温化アスファルト
冬期施工時の中温化混合物と通常混合物の締固め度は同程度
アスファルトに中温化剤(材)を添加することで、
低い温度でも製造・施工が出来るようにする技術です。
アスファルト混合物を製造する際には、材料を170℃程度まで加熱し混合しますが、混合温度を下げることでCO₂の排出を抑制できます。
また、温度が低下しても施工が可能となることで、寒冷期の施工性や品質を向上できます。
中温化性能を発揮するメカニズムの違いにより、「発泡系」、「粘弾性調整系」、「滑剤系」に分類されます。
北海道型SMA
高速道路では、安全走行性や雨天時の水はけを考慮して排水性舗装が用いられてきました。また、都市部でも騒音対策として排水性舗装が用いられてきました。
しかし、積雪寒冷地では、融雪期のポットホールなどの損傷が問題になったため、排水性舗装の持つ、機能と耐久性を併せ持つ材料として用いられるようになったのが北海道型SMAです。
表面は排水性舗装のようにキメが粗く、走行安全性や騒音低減効果を有しつつ、内部は密実で耐久性が高い構造になっています。主に、北海道内では高速道路や都市部の交差点付近などに用いられています。
木塊舗装
大正時代、自動車の利用が徐々に拡大するにつれて舗装の必要性が高まってきました。当時、舗装の材料として様々なものが試行錯誤されており、その一つに木塊舗装があります。
木塊舗装は、ブロック状の木材を防腐処理して、路面に敷き詰めた舗装です。
耐久性に問題があり、普及しませんでした。当時の舗装が今でも、道庁赤レンガ庁舎正門前の北3条広場のレンガ舗装の下に現地保存されています。
この木塊舗装は銀杏並木とともに土木学会選奨土木遺産に認定されております。現地にはモニュメントもありますので一度、ご覧下さい。